「帰省」「帰郷」「里帰り」の違い

帰省と帰郷の違いは、帰省が故郷に戻って両親の様子を尋ねる一時的な滞在を指すのに対し、帰郷は故郷に戻り永住する状況を広く表現する言葉である点です。また、里帰りは主に既婚女性が実家に戻る際に使われます。

お盆や年末年始などの休みを活用して、一時的に生まれ育った場所へ戻ることを「帰省」と言います。この「帰省」の「省」は、「両親の様子をじっくりと確認する」というニュアンスを持っており、本質的には故郷に戻って親の様子を尋ねる行為を指します。だから、永住するために戻るのではなく、通常は短期間の滞在の際に使われることが一般的です。

一方で「帰郷」という言葉は、故郷に戻ることを広く表現する言葉として用いられ、一時的に戻る意味でも使われます。しかし、現代では「帰省」と同じ意味で使われることは少なく、故郷に戻ってそこで暮らす状況を指して「帰郷」と表現されることが多いです。

「里帰り」は元々、結婚後の女性が初めて実家を訪れる際に用いられる言葉でしたが、今日では既婚女性が実家に戻る際に一般的に使われます。通常、男性が実家に戻ることを「里帰り」とは言いませんが、海外に移住した人が母国に戻る際や、美術品などが一時的に海外から戻る際には、性別や婚姻状態に関わらず「里帰り」と表現されることがあります。かつては奉公人が実家に戻ることも「里帰り」と呼ばれていましたが、現代では奉公人という存在自体が少なくなり、この用法はほとんど見られなくなりました。

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