「冷蔵」「冷凍」「氷温」「チルド」「パーシャル」の違い

菌の増殖は10度以下で遅く、マイナス15度以下ではほとんど停止します。このため、冷蔵庫の温度は0～10度、冷凍庫はマイナス18度以下に設定されています。

ただし、単に冷蔵と冷凍の区分だけでは、全ての食品を最適な温度で保存するのは難しいです。最新の高機能冷蔵庫は、チルドやパーシャルなどのさまざまな温度帯を持っており、それぞれの食材を最適な状態で保存できます。

冷凍室は、マイナス18度以下で冷凍食品や予め調理した料理などを長持ちさせるための場所です。

パーシャルとは「部分的」という意味で、「部分凍結」の略称です。パーシャル室は、わずかに食品が凍る、約マイナス3度で設定されています。これは、特に魚や肉の鮮度を維持するための温度です。この温度帯は「氷温」とも呼ばれることがありますが、正確には異なります。氷温室は、約マイナス1度で、食材が凍るのを避けつつ保存したい場合に適しています。

チルドは、「冷やされた」という意味です。チルド室は、冷蔵庫の中で0度前後に設定されており、乳製品や発酵食品などの保存に最適です。

冷蔵室は3～10度の範囲で、中央の棚は3～5度、ドアのポケット部分は6～10度となっています。調味料や飲み物、卵は、このドアポケットに置かれることが多いです。

さらに、多くの冷蔵庫には野菜室も備わっています。野菜は温度が低すぎると品質が低下しやすく、また乾燥にも弱いため、野菜室は3～7度、湿度90%程度に設定されています。これにより、新鮮さを長く保てます。